共同センターロゴ小今月の話題(2022年3月)

外国人労働者の状況と問題についての取組み

2022.3.2

 少子高齢化の進展にともない、日本では構造的な人手不足が生じています。そこで重要性が増しているのが、外国人労働者です。2021年10月現在、日本で働く外国人の労働者は172万7221人、前年比で2893人増加。届け出が義務化されて以降では最高を更新しましたが、コロナ禍でもあり、前年に対して増加率は減少しています。外国人が日本で働く上で文化ギャップとコミュニケーション不足が問題として指摘されており、特に、日本語コミュニケーション能力を身につけてもらうことは、取り組まざるを得ない喫緊の課題です。

 令和3年10月末現在の「外国人雇用状況」によると、外国人労働者の数を国別に見ると、ベトナムが全体の26.2%、中国が23.0%、フィリピン11.1%の順となっています。外国人労働者在留資格別の状況では、身分に基づく在留資格者※数は58万328人で全体の33.6%、次いで専門的・技術的分野の在留資格者数が39万4509人、技能実習者数が35万1788人となっています。外国人労働者数が多い都道府県は、東京都、愛知県、次いで大阪府でした。

※身分に基づく在留資格者とは、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の4種類があり、制限がなく日本に在留することができる資格を持つ人のこと

 事業所単位での状況は、28万5080の事業所が外国人を雇用(前年26万7243ヶ所)。事業所の規模別に見ると、従業員30人未満の事業所が最も多く、全体の6割を占めていました。産業別では製造業が最多で全体の27.0%。その一方で、医療・福祉分野で外国人労働者、外国人雇用事業所ともに大幅に数を増やしています。また、外国人を雇用する事業所のうち、労働者派遣・請負事業を行っている事業所の数は1万9226(全体の6.7%)、就労している外国人労働者は34万3532人で、どちらも前年比増加傾向にあります。

 多くの外国人労働者が日本で働く困難さをもっとも感じているのが、日本語コミュニケーションだといわれています。そこで、厚労省が開発した「就労場面で必要な日本語能力」カリキュラムをもとに「標準モデルカリキュラム」が作成され、令和4年度から始まります。円滑な職業紹介、求人開拓を目的に「聞く」「話す」「書く」「読む」をレベル別に研修し、研修やマニュアルでは実践につながらない知識やスキルを現場での実践を通して身に付けるOJT研修を行います。

 ハローワークにおいては、窓口における求人票の英語への自動翻訳を提供する取組を3月から試行する予定です。また、留学生国内就職支援に関しては、インターネットを利用した企業説明会や、大学とハローワークの連携協定を締結し、国内就職促進に向け留学早期からその後の就職・定着まで一貫してサポートする取り組みを令和2年より実施しています。

 なお、外国につながる子どもの在留資格とキャリア形成に対する取り組みも進んでいます。身分に基づく在留資格を有する外国人の子どもは、基本的には親と同じく、身分に基づく在留資格が得られ、在留資格上就労に制限は設けない方針が示されています。

 令和4年2月以降、各労働局の外国人雇用対策担当官、および外国人が多い地域のハローワーク担当者等を対象にしたオンライン説明会の実施を通じ、現場における取り組みや事例の紹介を行う専門人材の育成にも取り組んでいます。

 しかし、最近の報道では、就労先での過酷な労働や、いじめ、差別といった、外国人労働者に対する人して恥ずかしい不公平な実態も伝わってきます。これはほんの氷山の一角に過ぎないともいわれ、どうしたらそれらを無くすことができるのか、日本全体で一人ひとり考えるべき問題と言えるでしょう。

(この項終わり)