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令和2年度「過労死等の労災補償状況」が公表されました

2021.7.1

 厚生労働省は、令和2年度の「過労死等の労災補償状況」を公表しました。平成14年以降、年1回公表しているものです。

 「過労死」とは、過労死等防止対策推進法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障がいを原因とする自殺による死亡、又はこれらの脳血管疾患もしくは心臓疾患もしくは精神障がいをいう」と定義されています。

 それによると、令和2年度の過労死等に関する労災請求件数は2835件(前年度比161件減)。過労死による労災支給決定件数は802件(前年度比77件減)。そのうち死亡(自殺未遂を含む)件数は148件(前年度比26件減)でした。

 その中で、脳・心臓疾患に関する労災補償の件数は前年度より減少したものの、業種では「運輸・郵便業」「卸売・小売業」「建設業」の順、職種では「輸送・機械運転従事者」「専門的・技術的職業従事者」「サービス職業従事者」の順に多く労災請求と支給がされていました。年齢別に見ると、請求数は「50歳~59歳」「60歳以上」「40~49歳」の順に多く、実際に支給されたのは「50歳~59歳」「40歳~49歳」「60歳以上」の順でした。

 精神障がいに関する労災補償に関しては、令和2年5月に「心理的負荷による精神障がいの労災認定基準」が改正され、業務により精神障がいを発病された方に対して、今までより迅速かつ適正な労災補償が行われるようなりました。また、認定基準が示す心理的負荷の原因となる具体的な出来事の類型として、従来の「事故や災害の体験」、「仕事の失敗、過度な責任の発生等」、「仕事量・質」、「役割・地位の変化等」、「対人関係」、「セクシャルハラスメント」の6種に加え、新たに「パワーハラスメント」が追加されています。

 令和2年度における、労災補償の支給決定件数をこの「出来事」別に見ると、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が99件。「悲惨な事故や災害の体験、目撃した」83件。「同僚等から、暴行または(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けた」が71件の順となりました。

 精神障がいとの関連では、職場によるストレスが原因で「うつ病」を発症し労災申請する人の増加も指摘されています。「脳・心臓疾患」の労災は40代以上が多く報告されていますが、精神障がいの労災は10代から30代の若い世代の比率も高くなっており、職種に大きな差がないのも特徴とのこと。企業には、組織の見直しや職場内のコミュニケーションに問題がないかなどを、丁寧に検討することが望まれます。

(この項終わり)