共同センターロゴ小今月の話題(2020年9月)

テレワークで広がる「ビデオ会議」を利用者はどう感じているか

2020.9.1

 政府の「働き方改革実行計画」を受け、2018年2月に「情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」が策定されました。そして今年の7月には、柔軟な働き方がしやすい環境整備のための「雇用型テレワークのガイドライン刷新と導入支援」が閣議決定され、テレワークの普及と加速が推進されています。

 そこに、COVID-19感染拡大が重なり、企業は急速にテレワークの導入を進めるようになりました。そこで必要とされる道具のひとつにビデオ会議システムがあります。社内の会議や取引先との打ち合わせなどでも利用することができるため、利用者数が増加しています。

 ソフトバンク系のSB C&S株式会社は、仕事でビデオ会議を利用したことがある20~69歳の男女400名を対象にビデオ会議に関する意識調査を行い、その結果を8月20日に公表しています。

 その中で、テレワークの導入で影響を受けている業務のトップ3は、「社内会議(69.5%)」、「社外会議(49.8%)」、「報告・相談(37.8%)」の順になりました。同時に、7割以上の人が、営業する機会や営業を受ける機会が減ったと回答しています。

 ビデオ会議の利点については、「移動時間や交通費が減る(80%)」、「無駄な会話が減る(42.8%)」、「会議室の確保が不要(40.3%)」など、時間短縮や手間の削減をあげる人が多く、4割の人は対面会議よりビデオ会議の方が時間が短縮されると感じており、短縮時間の平均は23.2分と算出されています。ビデオ会議の普及は対面での会議にも影響を及ぼしており、「無駄な会議が減った(45.0%)」、「時間をより意識するようになった(28.0%)」などの意見が寄せられています。

 対面会議とビデオ会議では、重視するポイントが多少異なることもわかりました。「相手に伝わりやすい言葉を使う(対面41.8%、ビデオ41.3%)」、「発言のバランスを気にする(対面34.8%、ビデオ35.0%)」の2点は両者とも重要であると答えた人の割合がほぼ変わりませんでした。一方で、「相手の表情をよく見る」という点を重視する人は対面会議だと42.5%と多かったのに対して、ビデオ会議ではほぼ半数の21.5%に減りました。「自分の表情を意識する(28.5%→15.8%)」「相手の目を見て話す(28.0%→15.3%)」といった項目も、ビデオ会議で重視する人が対面会議の約半分に減っています。これらはいずれも、現在のビデオ会議では実行するのが難しいのが大きな理由なのではないかと考えられます。

 総合的な評価としては、社内会議はビデオ会議の方が効率的だと感じている人が半数以上を占めたのに対して、社外会議で営業をする場合は対面会議の方が効率的だと考える人が約7割を占めました。社会全体がビデオ会議に慣れ親しむまでは、対面会議とビデオ会議をうまく使い分けることで業務効率化が図れそうです。

 最後に、ニューノーマル(新しい常識・状況)時代に重視されるスキルについて、約6割の人が「自身の意図を正確に伝えるコミュニケーション力」だと回答しています。次いで「見やすくわかりやすい資料作成力(52.5%)」、「会議の適切な設定、進行能力(45.3%)」と、ビデオ会議で重視される能力が続けて挙げられていました。

 今回の調査では触れられていませんでしたが、テレワークでは自宅での勤務が想定されます。自立した労働時間の管理や、働き方の変化に対応するための機材/サービスの導入とその学習にかかるコスト負担をどうするかなど、労働環境の整備について改めて考えなくてはならない局面に入っていることも忘れてはならないでしょう。

(この項終わり)