共同センターロゴ小今月の話題(2018年4月)

ロボット技術の介護利用における重点分野の追加

2018.4.2

 政府の「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)では、ロボット介護機器の開発で、自立支援等による利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減の実現を掲げ、「ロボット技術の介護利用における重点分野」が策定されています。

 このほど、ロボット介護機器の開発重点分野の再検証が行われ、戦略的な開発の方向性が改めて取りまとめられ、2018年4月以降の新たな開発支援に反映させるため改定されました。

 これまでに、介護現場と開発企業が協議し、介護現場のニーズを反映したロボット介護機器開発の提案内容を取りまとめるニーズ・シーズ連携協議会を設置し、介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証実験が行われてきました。その結果、新たに1分野5項目の開発・実用化を重点的に進めるロボット介護機器の必要性が明らかにされました。

今後の開発等重点分野(●印が今回新たに決定した重点項目)

  1. 移乗介助
    • ロボット技術を用いて介助者のパワーアシストを行う非装着型の機器
    • ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器
  2. 移動支援
    • 高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器
    • 高齢者の屋内移動や立ち座りをサポートし特にトイレへの往復やトイレ内での姿勢保持を支援するロボット技術を用いた歩行支援機器
    • ●高齢者の外出等をサポートし、転倒予防や歩行等を補助するロボット技術を用いた装着型の移動支援機器
  3. 排泄支援
    • 排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調節可能なトイレ
    • ●ロボット技術を用いて排出を予測し、的確なタイミングでトイレへ誘導する機器
    • ●ロボット技術を用いてトイレ内での下着の着脱等の排泄の一連の動作を支援する機器
  4. 見守り・コミュニケーション
    • 介護施設において使用する、センサーや外部通信機器を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
    • 在宅介護において使用する、転倒検知センサーや外部通信機器を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
    • ●高齢者とのコミュニケーションにロボット技術を用いた生活支援機器
  5. 入浴支援
    • ロボット技術を用いて浴槽に出入りする際の一連の動作を支援する機器
  6. 介護業務支援
    • ロボット技術を用いて、見守り、移動支援、排出支援をはじめとする介護業務に伴う情報を収集・蓄積し、それを基に、高齢者等の必要な支援に活用することを可能とする機器

 厚生労働省は、平成30年4月1日付で、老健局内に「介護ロボット開発・普及推進室」を設置するとともに、介護ロボットの開発・普及に関する専門家を工学、介護・リハビリテーションのほか、産業調査、生産性向上の専門家9名を「介護ロボット担当」として任命しています。今回の体制強化は、現場のニーズに即した実用性の高い介護ロボットの開発、介護ロボットによる生活の質の維持・向上、介護者の負担軽減を目指し政府方針の確実な実施に向けて行われるものです。

 やがて、現在働いている誰もが介護の対象とる日が必ずやってきます。一日も早く、安全で安心できるロボットの介護現場導入が進むことが望まれます。

(この項終わり)