共同センターロゴ小今月の話題(2018年2月)

職場におけるメンタルヘルスケア

2018.2.5

 経済・産業構造が変化する中、仕事や職場で強い不安、ストレスなどを感じる労働者は約6割に上っています。また、メンタルヘルス上の理由により連続1か月以上休業し、または、退職した労働者は全体の8.1%存在しています。さらに、業務に密接な関係があると判断されたメンタルヘルス不調者は労災の補償対象となり、その件数も増えています。(厚労省労働者健康状況調査・労働安全衛生調査より)

 中央労働災害防止協会は、職場におけるメンタルヘルスの重要性について次のように述べています。

"労働者のメンタルヘルス不調は、企業経営のリスク要因として見逃せない問題であるという認識が定着してきました。現在では、組織全体の心の健康レベルを引き上げることにより、企業の活性化や生産性の向上につなげようという考え方もでてきています。"

 厚労省は、職場におけるメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的に、常時50人以上の労働者を使用する事業場に対し、平成27年12月から年1回のストレスチェックとその結果に基づく面接指導などの実施を義務付ける「ストレスチェック制度」を設けています。ストレスチェックをきっかけに、働く一人ひとりが自らのストレスの状況に気づきセルフケアなどの対処をするとともに、事業者は、長時間労働の改善や職場内のコミュニケーションのあり方などを含めた職場環境の見直しを行い、働きやすい職場づくりを進めることが重要だとしています。

 制度の実施状況について、厚労省は平成29年7月に調査を実施し、次のような結果を得ました。

  • ストレスチェック制度の実施義務対象事業場のうち、82.9%の事業場がストレスチェック制度を実施。
  • ストレスチェック実施事業場の労働者のうち、ストレスチェックを受けた労働者の割合は78.0%。
  • ストレスチェックを受けた労働者のうち、医師による面接指導を受けた労働者の割合は0.6%。
  • ストレスチェックを実施した事業場のうち、78.3%の事業場が集団分析を実施。

 また、昨年11月〜12月には、エン・ジャパンが、「エン・人事のミカタ」利用企業のメンタルヘルス対策の意識調査をインターネットで実施しています。この調査では、「メンタル不調者」が増えていると回答した企業が5割以上、「メンタル不調者が在籍」している企業も58%あり、その原因は、人間関係4割以上、仕事の質と量が原因だと3割が回答しています。

 この調査では7割以上の企業が従業員のメンタル不調を把握していました。その把握の方法のトップ3が「社員からの情報」、「ストレスチェック」、「定期健診」からだそうです。また59%の企業がメンタルヘルス対策を実施中で、その有効な対策は、「ストレスチェック」、「産業医の設置」、「労働環境の改善」だと回答しています。ストレスチェックの実施率は、85%で、そのストレスチェックの「意義がある」と46%の企業が回答しています。

 「ストレスチェックの意義がない」と感じている企業からは、「自己申告型のメンタルヘルスを確認させるだけのスキームであり、企業にとって一番抑止したい、無自覚の後に突然発症するメンタルヘルスの予防になっていない」、または「高ストレス判定でも指導を申し出る者がほとんどいない。また指導を申し出る者が、自分が希望する異動のために制度を利用しているように感じている」など、本来の目的を果たせないという声が上がっています。

 厚労省は、労働局・労働基準監督署において、「ストレスチェック制度」の実施徹底を指導するとともに、小規模事業場を含めたメンタルヘルス対策を推進するため、ポータルサイト「こころの耳」を通じた企業の取組事例の提供、産業保健総合支援センターによる教育・研修の実施、企業の取組に対する助成金といった各種支援事業を実施しています。

 その一つに「職場における5分でできるセルフメンタルチェック」をホームページで公開しています。また、平成27年度より「ストレスチェック助成金」制度を実施し、これに加えて平成29年度からは「職場環境改善計画助成金」と「心の健康づくり計画助成金」、「小規模事業場産業医活動助成金」を新設しています。職場の労働者の健康管理等に活用してみてはいかがでしょうか。

 詳しくは、厚生労働省ホームページ「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス策・過重労働対策等」を参照してください。下のアドレスをクリックすると、新しいウインドー/タブでページを開きます

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/

(この項終わり)