共同センターロゴ小今月の話題(2017年12月)

中小企業の事業承継

2017.12.4

 中小企業経営者の高齢化が進み、今後5〜10年ほどで多くの中小企業が事業承継のタイミングを迎えようとしています。中小企業に蓄積されたノウハウや技術といった価値を次世代に受け継ぎ、世代交代によるさらなる活性化の実現のため、円滑な事業承継はきわめて緊急で重要な課題となっています。

 中小企業の事業承継問題を、国家的な問題として経済産業省が取り組みをすすめています。経済産業省の推計では、後継者問題等による中小企業の廃業が急増することで、2025年までの10年間で約650万人の雇用と、約22兆円のGDPが失われる可能性があるそうです。また、2018年、政府与党は税制改革における事業継承に係わる税制優遇措置を拡大する方針です。

 そして、日本の高齢化は中小企業にも及び、経済産業省のHPでは、一般的には中小企業経営者の引退年齢は平均すると概ね70歳前後と言われています。現在の経営者の平均年齢が66歳だそうで、あと数年で経営者の引退期がやってくるとも指摘しています。それに60歳以上の経営者の50%以上が自分の代で事業をやめようと考えているそうです。そのうち3割は後継者がいないことが理由です。他方で、他社よりも事業が好調なのに事業を止めようと考えている方も3割いるとのことです。

 このような現状に現在、中小企業庁ではガイドラインを公表し中小企業経営者の身近な存在として活動している団体、金融機関等の支援機関がガイドラインを活用し、価値ある事業をしっかり次世代へ承継してもらえるように期待しています。

 経済産業省では平成27年4月1日から最長29年12月31日までの間に、事業承継(代表者の交代)をおこなった、又は行う中小企業が補助の対象となる補助金交付制度も実施し、平成29年6月2日時点では申請517件中65件が採択されています。

 平成29年度予算11億円は、創業・事業承継支援事業の一体的促進と、中小企業の世代交代、再活性化を進めるための費用です。平成30年度には、事業承継・再編統合集中実施事業費として概算要求額は16.2億円計上し、

  1. 平成29年〜34年までの5年間で
  2. 支援機関等による事業承継診断を年間5万件実施目標とし
  3. 補助対象者事業計画達成率8割

を目指しています。

 「2017年後継者問題に関する企業の実態調査」を行った帝国データバンクの調査では、平均的な引退年齢と言われる60歳代後半〜70歳代が代表を務める企業で、後継者不在率の低下がみられました。事業承継税制の改正や経営者保証のガイドライン、各地域での相談窓口拡充の政策効果も相まって、高齢社長の後継者問題に対する意識も変わってきているようです。

 調査では後継者候補は「子ども」が4割で「非同族」3割でしたが、ここ数年で非同族への継承が浸透してきています。これからは、後継者選定の選択肢の幅を広げ、確実な承継体制づくりが望まれます。それには、公募や、ワークショップ形式で、各企業の得意とするノウハウや、技術、製品などに興味と関心のある人や、起業を目指す人達に直接紹介、説明し、後継者を見つける機会も設けてみる試みはどうでしょうか?

(この項終わり)