共同センターロゴ小今月の話題(2017年7月)

少子化対策で出産直後の男性の休暇取得率目標80%へ

2017.7.6

 日本の少子化の状況は、社会経済の根幹を揺るがしかねないといわれています。そこで政府は、少子化社会対策大綱の重点課題の一つとして、男女の働き方改革の数値目標を2020年に「男性の配偶者の出産直後の休暇取得率」を80%にすると定めました。

 今までの研究や調査から、男性の家事や育児参加や育児休業取得については、主に「職場での要因」「家庭での要因」「個人としての要因」という、3つの要因があることが明らかになっています。そこで、配偶者の出産に係わる休暇取得の実態と、休暇の取得促進に必要な事柄は何かを明らかにするため、厚労省は2016年に実態調査を行いました。 調査はインターネットを使って行われ、配偶者が2015年に末子を出産した全国の被雇用者の男性1000名が対象となりました。

 その結果、配偶者の出産後2か月以内に、配偶者のサポートや家事、育児のために休暇を取得した人の割合は55.9%でした。そのうち、休暇取得率の最も高かったのは出産当日で52.3%。出産翌日から退院までが48.5%、退院翌日から出産後2カ月以内が43.9%と続きました。出産日から離れるほど休暇取得率は低くなっています。

 出産日に最も利用された休暇制度は「配偶者出産休暇」(勤務先の就業規則等で定められた配偶者出産時等に係る特別休暇のこと)で43.4%でした。また、出産翌日以降に利用された休暇制度は「年次有給休暇」で、出産翌日から退院までの利用が54.2%、退院翌日から出産後2か月以内の利用は78.0%でした。

 取得した休暇の日数の合計は4日以上6日未満が最多でした。休暇を取得した人の82.6%が、出産当日、出産翌日から退院まで、退院翌日から出産後2カ月以内という3つの期間のうち2つ以上の期間で休暇を取得しており、休暇を取得した期間が多いほど休暇取得に満足した人が増えていました。しかし、29.1%の父親は、休暇を取得しようと思っていたものの取得しなかったと回答しています。

 休暇取得制度やワークライフバランスの取り組みがなされていたり、上司が率先して有給休暇を取得し、男性の子育て参加について理解があるなど、職場の条件が整っているほど、父親の休暇取得率が高くなる傾向がみられました。

 一方で、女性の出産入院中に男性が休暇を取得しても、女性が最も助けを必要とする時期とは乖離しているという指摘もあります。夫一人の働きでは一家を支えられない時代だとも言われます。改正育児休業法は働く女性には逆効果ではないかという意見も聞こえてきます。

 少子化ジャーナリストの白川桃子氏によると、イギリスでは全育児休暇を両親で分け合える共同育児休業制度があり、ドイツでは両親手当プラスパートナーシップボーナス制度が設けられていたり、フランスでは子どもの受け入れには最低14日間は必要として父親の休暇制度があるそうです。また、北欧では男性が育児休暇の取得は自分の権利だと考えているそうです。

 日本でも、男女が共に働き、共に生活をして、地域社会とも繋がることのできる働き方改革・生活の仕方改革が問われています。残業時間の上限規制に関して就業と就業の間に一定の休息時間を設けるインターバル規制の導入など、長時間労働時間削減の取り組みとともに、政府の少子化対策の問題・課題への対策には、今以上に丁寧な検討が望まれます。

(この項終わり)