共同センターロゴ小今月の話題(2017年6月)

労働基準関係法令違反企業名332社が公表されました

2017.6.4

 2016年10月1日以降に労働基準関係法令に違反し、書類送検された334件(332社)を厚労省が5月10日ホームページに掲載しました。

 政府は社会全体で過労死等ゼロをめざす取り組みの強化策として、また違法な労働環境を許さない社会の機運も高まり、労働基準法令違反の疑いで送検し公表された「送検事案」と、労働局長が企業のトップに対し指導し、その旨を公表した「局長事案」が掲載されました。

 厚労省・労働局のホームページ上に掲載された企業名は、誰でも自由に閲覧できます。掲載されている企業の中には、女性社員の長時間労働での過労自殺問題で書類送検された電通も確認できます。掲載期間はおおむね1年間(ただし改善が確認されたり公表の必要性が無くなった場合は削除)とし、毎月更新されます。

 今回公表された労働基準関係法令に違反した企業を産業別にみると(東京商工リサーチ調べ)、建設業が115社と3割を占め、次いで製造業(同22.8%)・サービス業他68社(同20.4%)と3産業で全体の約8割を占めていました。売上高が10億円未満の中小・零細企業が164社と全体の約7割を占めましたが、100億円以上も21社ありました。売上高の最大企業はパナソニックで、富山県内の工場で労働者3名に36協定の延長時間を超える違法な時間外労働を行わせたとして、労働基準法違反で書類送検されています。次いで、日本郵便(株)は新大阪郵便局で休業4日以上の労働災害が発生していましたが、労働者死傷病報告を提出しなかったそうです。

 事業主に向けて労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインも策定されています。そこには労働時間の考え方や、労働時間の適正な把握には労働者が自己申告できる時間数の上限を設けるなど自己申告の阻害措置を設けてはならないし、慣習的に行われていないか確認しなければならない等とされています。

 今後は、労基法違反にならないように多くの企業は労働環境条件を見直し、従業員の働き方改革に取り組まざるを得ない状況です。しかし、働き方改革への取り組みは企業にとって、経営的に資金も人的にも余裕がなければできないとも言われています。それでも社名公表は企業の信用に大きく関わります。それぞれの企業が、抱える課題に取り組まなくてはなりません。

(この項終わり)