共同センターロゴ小今月の話題(2017年3月)

65歳以上の高齢者の就業状況の変化

2017.3.6

 急速な高齢化の進行に対応し、高年齢者が意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的に、社会の変化に伴い、その都度改正されてきた「高年齢者雇用安定法」の基に高齢者の社会参加が増加しています。特に65歳〜74歳における就業率は、男女ともおおむね一貫して上昇しています。特に60代後半の男性では2014年には半数を超え、2016年には53.0%に達しています。

 60代後半の女性についても同様に、10年ほど前には25%前後と4人に1人程度であったものが2016年には33.3%と、3人に1人は何らかの仕事についていることが分かったそうです。70代全般についても同様に、60代後半ほどの伸び率ではないものの、2016年には男性では32.5%とほぼ3人に1人が、女性では18.8%と約2割が何らかの仕事に就いています。(総務省統計局「労働力調査」より)

 雇用形態別にみると、男女とも正規就業者は就業者全体の1割程度であり、非正規就業者が大半を占めています。

 最近の新聞にも次のような記事が掲載されていました。

 金沢市の地場産物の食品加工会社で、60歳以上の高齢者限定の早朝パートを募集しました。景気に回復の兆しが見え始めた2013年頃はパート労働者が集まりませんでした。

 社長は、高齢者を活用している企業からヒントを得て「高齢者は職安にはあまり行かないし、求人誌もあまり読まない」と考え、地元紙に折り込みチラシを入れました。チラシの文言はあえて「年齢制限あり」をうたい、高齢者雇用を促進する狙いから、法令上も問題のない<経験不問・女性男性どちらでも、ただし年齢制限あり 60歳以上>としました。

 すると、20人の応募があり、9人を採用、その後も人数を増やしているそうです。この社長は、「経験豊かで、いつのまにか「達人」と呼ばれるようになっています。この方たちがいなくなったら、本当に会社が立ち行きません。」と語っています。(従業員数80名。そのうち午前5時から9時半まで働いている高齢者は22名。最高年齢者は78歳。)

 上の例のように、従業員規模別では30人未満企業の占める割合が60代後半では41.7%、70代前半では55.7%ですが、500人以上の企業の割合は1割前後に留まるなど、より小規模な企業への人材移動がうかがえる結果となっています。

 また、60代後半以降の働き方としては、現役での勤務先を退職した後、より小規模な企業に週に数日、もしくは1日あたり数時間程度の勤務条件のもと就職しているケースが多くなっているようです。

 2012年の「高齢者雇用安定法」の改定により“高齢者の活躍促進”についての議論はやや熱を失いつつありますが、現在では60代後半の男性の2人に1人、女性の3人に1人、70代前半の男性の3人に1人、女性は5人に1人が非正規を中心とした何らかの仕事に就き、生計の足しとして、或は健康維持や生きがいとして働き続けています。

 今後もさらに多くの高齢者が引き続き労働市場に残り続けることになるものと予想されます。手垢のついた「一億総活躍社会」という言葉の実現にむけて、高齢者の知識や経験を十分に発揮できる環境を整えていくことが必要でしょう。

(この項終わり)