共同センターロゴ小今月の話題(2016年9月)

女性登用に対する企業の意識調査

2016.9.4

 女性管理職がいない企業は50.5%と半数にのぼる一方、「10%以上20%未満」「20%以上30%未満」の割合が増加していることが、帝国データバンクの調査からわかりました。

 生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場における女性の存在感の高まりがみられるなか、政府は女性の活躍促進を成長戦略の重要政策として打ち出しています。また、企業においては新しい視点の取り入れや男性の働き方改革としても位置付けられるなど、人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業の成長に女性の活躍が不可欠という認識も高まっています。

 そこで、帝国データバンクは、女性の活用や登用に対する企業の見解について調査を行いました。調査期間は2016年7月15日〜7月31日、調査対象は全国2万3639社で、有効回答企業数は1万285社です。

調査結果

  1. 女性管理職がいない企業は50%、「10%〜20%未満」「20%以上30%未満」の割合が増加しており、女性管理職の割合は平均6.6%と2015年より0.2ポイント上昇していました。また、従業員全体の女性割合は平均24.2%で前年と同水準、役員は平均8.7%で0.3ポイント上昇していました。
  2. 自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合では、「0%(全員が男性)」が60.3%で6割を超えています。さらに女性役員が10%未満を合わせると女性役員が1割にも満たない企業は75.6%と前年より1.0ポイント低下してしました。

 女性管理職の平均割合を規模別にみると、規模が小さくなるほど女性管理職の割合は高いこともわかりました。業界別では、前年に続き『小売り・不動産・サービス・金融』で高く、『運輸倉庫・建設・製造』などで女性管理職が少ないことも分かりました。

 しかし、『金融』では前年から1.7ポイント上昇しており、「身近な女性従業員で女性管理職のロールモデルを作り展開していきたい」といった社内での事例を積み重ねながら女性の登用を進めている様子がうかがえます。さらに『サービス』は、「娯楽サービス」や「人材派遣・紹介」が前年のランキング外から10位以内に上昇し、企業からも「女性の比率の高い職場のため、従来、男女を問わず能力や実績を考慮した活用・登用を実施している」(フィットネスクラブ)や「有能であれば男でも女でも登用する」(民営職業紹介)など男女を問わず能力に応じて登用しているという声が上がっています。

  1. 自社の女性管理職割合は5年前と比較してどのように変わったか尋ねたところ、「変わらない」とする企業は69.8%と多数を占めています。しかし、企業の4社に1社は女性管理職の割合が増加すると見込んでいます。
  2. 女性の活躍や登用について「社内人材の活用・登用を進めている」企業は42.5%で4割を超えている一方、「社外からの活用・登用を進めている」企業も11.1%ありました。その効果は「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が7割超で突出しています。以下、「女性の労働観が変化してきた」「従業員のモチベーションが上がった」「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」「多様な働き方が促進され、労働環境が改善された」など、いずれもその効果が出ているようです。
  3. 女性活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けられている従業員301人以上の企業は81.7%が策定済みで、具体的な取り組みでは、「女性の積極採用に関する取り組み」が43.1%で最多。努力義務となっている従業員300人以下の企業でも、約半数となる49.1%がにのぼっています。しかし「職場風土改革に関する取り組み(性別役割分担意識の見直し)」、など意識面での取り組みを行う企業は少数にとどまっています。

 安倍内閣による『日本再興戦略2016-第4次産業革命に向けて-』(成長戦略)では、2020年までに「指導的地位に占める女性割合30%」「25歳〜44歳の女性就業率77%」のほか、2013〜2017年度で「50万人分の保育の受け皿を整備」「9万人の保育人材を確保」などの目標を掲げ、女性が就業しやすくするための環境整備を柱の1つとしています。

 そのようななか、課長職以上の管理職に占める女性の割合は平均6.6%となっており、目標達成に向けた動きはわずかな増加にとどまっています。また「小売」や「不動産」は1割を超えている一方、「運輸・倉庫」や「建設」は前年同様4%台が続いています。業界内で女性登用に対する格差は大きいうえ、拡大している状況が明らかとなっています。しかし、概ね女性の管理職登用は増大していくと見込まれているようです。

(この項終わり)