共同センターロゴ小今月の話題(2015年10月)

「女性活躍推進法」が今国会で成立

2015.10.1

 企業や自治体などに女性の登用を促すための「女性活躍推進法」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が8月28日に成立しました。

 日本は、長い間、国際労働機関(ILO)などの国際機関から、雇用慣行における男女の格差是正が遅れていることなどを指摘されてきました。遅きに失した感はありますが、日本政府が重要政策として「女性の活躍」を前面に打ち出したことは歓迎すべきことでしょう。

 労働市場における女性活躍に向けた個別政策をみると、保育所の拡充、ワークライフバランス施策など従来型の政策に加えて、女性の登用に向けた数値目標の設定・公表を企業等に義務付けるのが「女性活躍推進法」です。数値目標は議論のあるところでしょうが、各企業が進めるべき施策について「見える化」しようとしていることは、一定の効果があるのではないでしょうか。

 その法律の内容は、従業員301人以上を雇用する企業と国や自治体などは、2016年4月1日までに、

  1. 女性の活躍状況の把握・課題分析
  2. 行動計画の策定・届出
  3. ホームページ等での情報公表

が義務付けられています。

 2025年度までの10年間の時限立法で、取組状況が優良な企業については厚生労働大臣の認定を受けることができるようです。

 なお、計画策定のための具体的な方法は、省令等で10月中にまとめられる予定です。しかし、提出期限が来年4月までとなっており、時間的な余裕がないという点や、目標数値や計画は企業に委ねられており、拘束力をもたないという点は残念です。

 また、虚偽の報告をした場合を除き罰則もありません。300人以下の中小企業については「努力義務」となっています。

 このように、「女性活躍推進法」は、企業任せとなっている部分が多く、本質は「直接的な効果」よりも女性活躍推進のための「意識改革」にありそうです。

 同法の成立に合わせて、両立支援等助成金を改正する雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案が公示されました。両立支援等助成金として、以下の「女性活躍加速化助成金」を新設するものです。

  1. 中小企業事業主(常時雇用する労働者の数が300人を超えない事業主)が行動計画に定める取組みを実施した場合に30万円を支給
  2. 事業主が行動計画に定める取組みを実施し、かつ、数値目標を達成した場合に30万円を支給

 労働力人口が減少する中、女性の進出は不可欠となっています。とはいえ、単純に今まで男性に適用してきた雇用管理をそのまま女性に当てはめることは困難です。今後、企業は男女共に子育てや介護などができるような働き方に変える意識を持つことが重要でしょう。

 そのためには、長時間労働に代表される日本型の雇用システムの変革を進めるとともに、個別の企業やそれぞれの業界において、現状でできることを一つひとつ確実に推し進めていくことが望まれます。

(この項終わり)