共同センターロゴ小今月の話題(2015年3月)

障害基礎年金「不支給」の地域差(年金問題を考える その14)

2015.3.1

 病気やけがで障害を負った年金加入者が受け取る障害基礎年金の申請に対して「不支給」と判定される割合について、都道府県間で最大約6倍もの地域差があったことが日本年金機構の調査でわかりました。

 精神・知的障害についての各都道府県の判定基準が統一されていなかったことが要因で、厚生労働省は是正が必要と判断し、夏にも判定指針を作成するとしています。

 調査対象は国民年金加入者の2010〜2012年度における申請(約29万7,000件)で、不支給率が最も高かったのは大分県(24.4%)であり、以下、茨城県(23.2%)、佐賀県(22.9%)、兵庫県(22.4%)、山口県(21.2%)の順となっています。

 不支給率が最も低かったのは栃木県(4.0%)で、新潟県(5.2%)、宮城県(5.7%)、長野県(5.8%)、徳島県(6.2%)が続いています。

 以上から、不支給率の最も高い大分県と最も低い栃木県では6.1倍もの差があることがわかります。

 障害基礎年金は原則、日本年金機構の都道府県事務センターごとに審査しており、申請全体の67%を占めているのが精神・知的障害です。

 都道府県ごとに150〜300件の事例を分析したところ、「日常生活能力の程度」という項目の扱い方の違いが不支給率のばらつきの原因になっていることがわかりました。

 不支給率が低い10県では、「障害程度が軽い方から2番目の段階以上」を支給の目安としていましたが、不支給割合が高い10県では「3番目以上でないと支給しない」という厳しい判定でした。

 なお、厚生労働省は厳しいほうの「3番目以上」が適切であると考えているようです。

厚生労働省はこれらの判定基準の是正に向け、2月に検討会を設置し、今夏にも統一基準となるガイドラインを策定するようです。

 ガイドラインができることによって今後、審査が厳しくなり年金を打ち切られる人が増える可能性も危惧されています。

(この項終わり)