共同センターロゴ小今月の話題(2015年1月)

労働者による「ブラック企業」の認識にみる今後の労務管理の方向性

2014.12.31

 一昨年、2013年の流行語大賞にも選出された、「ブラック企業」という言葉。明確な定義があるものではありませんが、任意団体であるブラック企業対策プロジェクトでは、「違法な労働を強い、労働者の心身を危険にさらす企業」と定義しています。異常な長時間労働やパワーハラスメントなど劣悪な労働条件で従業員を酷使するため、離職率も高く、過労にともなう問題なども起きやすい企業のことです。

 以前は毎日のようにメディア等で目にしたキーワードですが、最近はそうしたことも少なくなくなり、一時期の流行は去った感を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、日本労働組合総連合会(連合)が行った調査で、4人に1人が「勤務先はブラック企業である」と感じており、特に20代ではこの割合が3人に1人となることがわかりました。「ブラック企業」は、まだまだ関心が高いキーワードであることが窺えます。

 同調査は、それぞれの労働者が「自分の勤務先がブラック企業であると考えているかどうか」を問うものです。客観的な指標をもとにブラック認定を行うものではありませんが、ハラスメントの考え方と同様、労働者自身が「勤務先がブラック企業である」と考えているというのは、「ブラック企業のような働かせ方をされている」と感じているということです。雇う側にとっては、働かせ方などを考えるうえで重要なポイントとなります。

 この点について同調査を見ると、勤務先がブラック企業だと思う理由の上位は「長時間労働が当たり前」、「仕事に見合わない低賃金」、「有給休暇が取得できない」、「サービス残業が当たり前になっている」などとなっています。労務トラブルの発生を防ぐという観点からは、これらの要因をいかになくしていくか、優先的に検討すべき課題です。

 また、転職意向がある人に転職先を探す場合に重視するポイントを尋ねたところ、3人に1人は「ブラック企業などの悪いうわさ(がないか)」を重視すると回答しています。人材不足時代にあって、採用活動が成功するかどうかは「ブラック企業と認識されていないこと」が重要なポイントになっているとも言えそうです。

 労務管理上、「ブラック企業」というキーワードにはまだまだ注視が必要です。

(この項終わり)