共同センターロゴ小今月の話題(2014年9月)

「労働災害のない職場づくり」に向けた緊急対策

2014.9.8

 厚生労働省が「平成26年上半期の労働災害発生状況」を発表し、死亡者数が437人(対前年比71人、19.4%増)、休業4日以上の死傷者数が4万7288人(同1625人、3.6%増)となり、昨年から大幅に増加したことが明らかになりました。

 緊急対策の柱は、以下の2点です。

  1. 業界団体などに対する労災防止に向けた緊急要請
    • 産業界全体に対する企業の安全衛生活動の総点検の要請

      経済活動の一層の活発化が見込まれる中で労災の増加が懸念されることから、産業界全体(約250団体)に対し、企業の安全衛生活動の総点検と労使・関係者が一体となった労災防止活動の実施を要請。

    • 労災が増加傾向にある業種に対する具体的な取組みの要請

      特に労災が増加している業種(製造業、建設業、陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設、飲食店)に対しては、労災防止のための具体的な取組内容を示し、その確実な実施を要請。

  2. 都道府県労働局、労働基準監督署による指導の内容

    都道府県労働局と労働基準監督署において、労働災害防止団体などと連携した安全パトロールを実施するほか、事業場が自ら実施した安全点検の結果などを踏まえた指導などを実施。

 全産業における死亡者数(437人)を業種別に見ると、建設業(159人)、第三次産業(92人)、製造業(82人)、陸上貨物運送事業(55人)の順で災害が多発していたそうです。

 これらの増加要因として、同省は「景気回復で企業活動が活発になる中、人手不足で現場に経験の浅い労働者が増え、事故につながっている」としています。

労働災害が増加傾向にある業種に対する具体的な取組の要請

 特に労働災害が増加している業種(製造業、建設業、陸上貨物運送事業、小売業、社会福祉施設、飲食店)ごとに、以下の取組を確実に実施するよう要請されます。

  • 製造業
    • 製造業の中でも災害件数が多い食料品製造業を対象として、食品加工用機械による「はさまれ・巻き込まれ」、「切れ・こすれ」などの災害防止のための事業者自身による点検や対策ならびに新規雇入れ時教育の徹底
    • 暑熱時期の熱中症予防対策の徹底
  • 建設業
    • 「墜落・転落」と「はさまれ・巻き込まれ」による災害防止のための点検・対策の実施
    • 暑熱時期の熱中症予防対策の徹底
  • 陸上貨物運送事業
    • 災害が最も多いトラックからの「墜落」に的を絞り、業界団体の連携による トラックドライバーなどに対する周知啓発活動の展開
    • 平成25年3月に策定した「荷役作業の安全対策ガイドライン」の周知状況と取組実施状況(特に荷主との連絡調整などの状況など)についての事業者自身による点検や対策の実施
  • 第三次産業(小売業、社会福祉施設、飲食店)
    • 危険に対する「気づき」を促し、安全意識を高めるため、各職場における安全活動の活性化[危険予知活動、職場内の危険マップ作り]の促進と、「安全推進者(=安全の担当者)」の配置

 今後、対象の業種には、自主点検票の送付や研修会の開催など、上記の取組みの強化がなされます。

(この項終わり)