換気装置の設置も「受動喫煙防止対策助成金」の交付対象に
2014.8.3
2014年6月25日に改正労働安全衛生法が公布されました。事業者は新たに、労働者の受動喫煙を防止するための、当該事業者および事業場の実情に応じた適切な措置を講ずる努力義務が課せられました。また、国は必要な援助に努めること、とされました。
今までは一定の要件を満たす中小企業主を対象として、事業場内に置いて、喫煙室以外をすべて禁煙とし、一定以上の基準を満たす喫煙室を設置する場合に、その設置費用の一部を助成するものでした。
しかし、7月1日付で、「『受動喫煙防止対策助成金の支給の実施について』の一部改正について」という文書が出され、一定の要件を満たす換気装置の設置等の措置を講ずる場合も、本助成金の交付対象とされます。新たな助成内容は次のとおりです。
- 喫煙室の設置にかかる経費のうち、工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費の二分の一の額を支給する。
- 支給は事業所単位とし、1事業場に付き1回とする。また、同じ事業場で複数の喫煙室を設置する場合は、1件の申請にまとめて行う。(1申請の上限は200万円)
- 申請は所轄の労働局労働基準部健康安全課に提出する。
対象となる事業主(次のすべてに該当する事業主が対象)は次の通りです。
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること。
- 次のいずれかに該当する中小事業主であること。
- 小売業
- 飲食業
- 配達飲食サービス業
- 物品賃貸業
- 宿泊業
- 娯楽業
- 医療・福祉
- 複合サービス
(例:協同組合) - 卸売業
- 農業
- 林業
- 漁業
- 建設業
- 製造業
- 運輸業
- 金融業
- 保険業
- 不動産業
- 一定基準(喫煙室の入口において、喫煙室内に向かう風速が0.2m/S以上)を満たす喫煙室を設置(改修も含む)すること。
※飲食店等では、客席を「喫煙スペース」と「禁煙スペース」とに分ける分煙装置による受動喫煙防止策がとられていることが多いですが、そうした喫煙スペースは、喫煙区域の粉塵濃度が「1立方メートルあたり0.15ミリグラム以下」となるよう設計されている、または客席がある喫煙区域における1時間あたりの必要換気量が「客席数×70.3立方メートル」となるよう設計されている場合に、交付対象となります。
- 事業場内において、喫煙室以外を禁煙とすること。
分類 | 業種 | 常時雇用する労働者数 | 資本金 |
---|---|---|---|
小売業 | 50人以下 | 5000万円以下 | |
サービス業 | 100人以下 | 5000万円以下 | |
卸売業 | 100人以下 | 1億円以下 | |
その他の事業 | 300人以下 | 3億円以下 |
厚生労動省では受動喫煙防止策の技術的な相談にも応じています。
- 相談ダイヤル 050-3537-0777
申請に関するQ&Aや書類作成要領などの閲覧、申請様式のダウンロードなどは、厚労省のホームページ「受動喫煙防止対策に関する各種支援事業」を参照してください。(下のアドレスをクリックすると新しいウインドー/タブでページを開きます)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/kitsuen/
事業者は、事業場の労働者の健康安全のために受動喫煙防止対策を講じることが必要です。
(この項終わり)