一般労働者派遣事業の許可が改定される見込みです
2014.3.4
厚生労働省は「特定労働者派遣事業」を廃止し、一般派遣事業許可に近い仮称「新労働者派遣事業」に一本化する改正法を平成26年度中に提出する見通しです。
「常時雇用」を大原則にしてきた「特定労働者派遣事業」は、1年ごとの有期雇用の繰返しの継続が横行し、さらに「仕事の無い期間」の生活補償である平均賃金の60%以上を補償する労働基準法違反も多く、さらに個人経営による「特定労働者派遣事業」の労基法違反事件が多発していることなどを受けたものです。なお、仮称「新労働者派遣事業」への移行は平成27年度の予定です。
現在の一般労働者派遣事業の許可要件は下記の通りです。
- 財産的基礎に係る要件(資産要件)について
- 現金・預金の額に係る要件について
- 派遣元責任者に係る要件について
- 派遣元責任者講習の受講に係る要件について
- 事業所面積に係る要件について
- 実態調査
- 更新手続き
2000万円×事業所数
(注)基準資産額=資産額−負債額
1500万円×事業所数
雇用管理経験が3年以上ある者(常に派遣元事業所に常勤している者)
許可申請受理日前3年以内の受講
約20u以上
あり
初回は3年間、2回目以降は5年ごと
「新派遣事業」(仮称)では、派遣社員(労働者)への実務等講習の充実(調査等も考えられる)でスキルアップし、雇用の安定をはかり、業者の「質」を高めることが求められると考えられています。
2月17日、安倍首相は派遣法改正の国会答弁で、「職種」や「期間」を広げても派遣で働く人は増やさない」、さらに、「節目節目でキャリアを見つめ直していただく」と述べています。
しかし、現在審議中の派遣制度の見直し案では、人材派遣会社は、派遣先に直接雇用を申し入れ、新たな派遣先を提供し、派遣会社で無期雇用に転換するなどの措置が求められるであろうことから、負担が膨らむものと考えられます。国会での慎重審議が望まれます。
(この項終わり)