共同センターロゴ小今月の話題(2014年2月)

4月1日より「育児休業給付金」の引き上げ「社会保険料の免除」が適用されます

2014.2.3

 法改正により、雇用保険から育児休業前賃金の50%を支給する「育児休業給付金」が、今年4月1日からは当初の半年間に限って67%に引き上げて支給されることになりました。これは、現在男性の育児休業取得率が低いのは、育児休業給付の額が低いからだとの推測によるものとも言われています。

 育児休業給付は、原則子供が1歳になるまでの間、休業に入る前の賃金50%を支給する制度です。夫婦揃って育児休暇を取得する場合は1歳2か月まで支給され(パパ・ママ育休プラス)、また、保育所に入所できないなどの場合には1歳6か月まで、支給期間を延長できるケースもあります。対象となるのは、雇用保険の保険料を支払っている人。育児休業に入る前の2年間、11日以上働いた月が12か月以上あることが受給条件です。

 育児休業給付は、これまで数回に渡って支給額の引き上げが行われてきたこともあって、受給者が増える傾向にあります。厚生労働省によると、2012年度の当初利用者は23万7383人で、平均で月額11万1932円を受給していました。このうち、女性の平均受給月額は11万1765円であるのに対し、男性は14万2708円受給していました。しかし、この額が単純に50%から67%になる計算では、男性は19万円程度受給できるようになり、育児休業を取得しやすくなるのではないかと期待されているのです。

 しかし、現行の制度に関しては、支給額以外にも幾つかの課題があります。

 まず、育児休業給付の対象者が増えるのかという点です。女性の就業者の半数以上が非正規雇用労働という現状では、育児休業の直前の雇用期間が短く、給付の制度の対象とならない方が多いのではないかとの見方があります。

 また、支給期間に関する問題もあります。安倍政権は成長戦略の柱に女性の活用を掲げており、昨年4月には、子どもが3歳になるまで育児休業を取ることができる「育休3年」の呼びかけを行いました。この期間すべてが育児休業給付の支給対象となるのかという点は気になるところです。その他に、育児休業給付の財源についても、雇用保険料の引き上げに関する議論が必要ではないかと指摘されています。

 同じく法改正でこの4月から産休中も社会保険料が免除されます。今でも育休中は免除ですが、4月からは、産休中も健康保険と厚生年金の保険料が免除の対象になります。免除されても健康保険の被保険者であり、年金額計算の際には、保険料を支払ったとみなしてくれます。雇用保険料は給与の支払いが無ければ徴収もありません。

 ただ、産休中も前年度分の住民税は支払う必要があります。産休前の給与から事前に差引くか産休に入る前に会社に預けるか、または住民税の納付書が届いて自分で納めることもできます。自分で収める場合は、一括か分割で払うか選ぶことができます。

 しかし、この「育児休業給付」や「社会保険料免除」を利用できる労働者は、社会保険料や雇用保険料を徴収される雇用形態でなくてはなりません。働く女性の半数が非正規雇用の現状では、この制度をどれだけの労働者が利用できるかは不明です。短時間勤務の職場を3か所掛け持ちで働く女性もいます。制度が充実しても利用できなければ絵に描いた餅にすぎません。バランスの取れた政策が望まれます。

(この項終わり)