共同センターロゴ小今月の話題(2013年10月)

過労死、過労自殺の労災申請と法令違反

2013.10.2

 過重労働により健康障害を発生させ、その結果、過労死・過労自殺などの労災申請が行われた事業場に対する、平成24年度に実施された監督指導結果が、東京労働局から公表されました。

 対象となった93事業場の業種では「交通運輸業」が最も多く、次いで「ソフトウェア・情報処理業」、「建設業」、「卸・小売業」の順です。また、企業規模としては、「10〜49人」が最も多く、次いで「100〜299人」、「10人未満」、「300〜999人」の順となっています。

 今回の結果から、過労死等を発生させた事業場での「労働関係法令違反」の割合が90%と高く、被災労働者に対する健康管理体制の不備がある事業場も、高い割合であることがわかりました。

 違反の状況としては、不法な労働時間管理(労働時間の違反、未払残業代など)によるものが多く、特に「三六協定」の取扱いが厳しく監督指導されています。

 また、違反のあった事業場のうち半数以上で、1カ月の時間外労働が100時間を超え、2カ月〜6カ月の時間外労働が、1カ月平均80時間を超えていました。

 近年では、過重労働による健康障害を防止するため、衛生管理体制の不備についても重点的に指導が行われてきました。健康診断の受診、有所見者への対応(医師等からの意見聴取、勤務軽減措置、保健指導)や、時間外・休日労働が多い労働者に対する医師による面接指導などです。

 これらの中には努力義務のものもありますが、適切な取り組みがなされず、いざ過労死や精神疾患の発症等が起きると、企業は訴訟等において不利な立場に置かれます。まして、社員が過重労働により亡くなってしまったり精神疾患等で業務に就けなくなったりすれば、その影響は社員の家族や他の社員にも多大な負担を強いることになります。ひいては企業の社会的評価が低下するなど、経営自体にマイナスとなります。

 また、いわゆる「ブラック企業」に対する集中的な指導監督も進められています。そして今後も、行政による指導監督は強化されていくことと思われます。

 この機会に、健康的に働くことができ、会社経営にもプラスとなる労働時間管理について検討してみてはいかがでしょうか。

(この項終わり)