共同センターロゴ小今月の話題(2012年8月)

「労使トラブル解決制度」〜労働相談最多の25万件〜

2012.8.4

 労働者と企業間のトラブルを裁判に持ち込まず、迅速に解決することを目指す「個別労働紛争解決制度」というものがあります。職場慣行を踏まえた円満な解決を図れるよう、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」により、下記の制度が用意されました。

  1. 総合労働相談コーナーにおける情報提供相談
  2. 都道府県労働局長による助言・指導
  3. 紛争調整委員会によるあっせん

 厚生労働省のまとめによると、この制度に基づく2011年度の労働相談は過去最多、約25万6千件に上りました。「企業の競争環境が厳しくなったことで、職場のいじめ・嫌がらせの相談が増えたことが原因」だとみられています。

 全体では110万9454件の相談が寄せられました。このうち制度の対象となる民事上の紛争は、25万6343件(前年度比3.8%増)でした。その他の相談は労働基準法違反などの相談で、各労働基準監督署などが対応しました。

 紛争に関する相談は30万5124件ありましたが、内容で見ると 「解雇」が18.9%、「いじめ・嫌がらせ」が15.1%でした。解雇に関する相談は5万7785件で前年より3.9%減ったのに対し、いじめ・嫌がらせの相談は4万5939件で前年より16.6%増加しています。

 相談した労働者の内訳は、正社員が10万6千人で前年比2.1%の減少、派遣労働者が1万1千人と前年比12.3%増となっており、非正規社員からの相談が大きく増加しています。

 相談を受け、労働局が企業側に助言、指導したケースは9590件(前年比24.7%増)、有識者で作る紛争調整委員会があっせんに乗り出したケースは6510件(前年比1.9%増)でした。

 上記のようなトラブルは、人事労務管理の個別化や、雇用形態の変化等で一層増加しています。その上、経済環境の著しい変化は、職場での人間関係をさらなるストレスにさらしています。

(この項終わり)