4月からスタートする新しい「在宅介護」
2012.4.2
この4月から、24時間体制の訪問介護サービスがスタートすることになりました。在宅介護の「切り札」として注目されています。
新設される「定期巡回・随時対応サービス」は、住み慣れた地域で暮らし続けることができる在宅ケアサービスとして国が推進しているものです。生活支援(食事、服薬確認、排泄介助など)のほか、床ずれ対処や血圧チェックなどを、まさに「24時間体制」で提供するものです。
従来の訪問介護との大きな違いは、訪問の回数と時間です。従来の訪問介護では1日1〜2回で、1回あたりの訪問時間は「30分〜1時間」程度でした。しかし、新サービスでの訪問時間は「10〜15分」程度と短くなっています。その代わり、介護を受ける側の生活リズムに合わせて、夜間や早朝でもサービスを受けることができます。
利用者の自己負担は定額制で、原則として、1日に何度利用しても負担額は変わりません。
新しい在宅介護の導入にともなう問題点もあります。ひとつ目は「事業所の採算」の問題です。新サービスでは、訪問回数にかかわらず報酬が1カ月単位で決定するため、訪問先ごとの移動距離が長くなると効率が悪くなり、ガソリン代などの負担も重くなります。
ふたつ目は、「担い手の確保」の問題です。介護業界は人が集まりにくいのが実情で、1日あたりの利用回数に制限がなくなっても、それに合わせて人員を増やすのは容易ではありません。ヘルパーの負担が増えることが懸念されています。
介護される人と介護者の双方にとって、安心できるサービスとなるのか、注目したいものです。
(この項終わり)