厳しさを増す就職活動の現状
2011.2.4
新卒者の就職内定率が過去最低水準となり、「今世紀最悪」とも言われている2011年度の就職活動状況において、採用企業側、求職者側はどのようなことを考えているのでしょうか。
経済同友会では、会員企業を対象に「企業の採用と教育に関するアンケート調査」実施しました(846社のうち230社が回答)。
その結果によれば、企業が選考方法・基準において最も重視するものは「面接の結果」であり、「適正試験の結果」「筆記試験の成績」が続いています。
また、ビジネスの基本能力としてどのような能力を重視しているかとの質問では、「熱意・意欲」が最も多く、「行動力・実行力」「協調性」などが続きました。
では、求職者は就職に関してどのようなスキルが有利に働くと考えているのでしょうか。
東京の総合広告業、株式会社ブラザーズが、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉の4都県)で就職活動中の20代〜40代の男女1,000人を対象に「就職活動に有利だと思うスキル」に関する意識調査を実施し、その結果が発表されています。結果は次の通りです。
- 第1位 ビジネス英語
- 第2位 MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
- 第3位 簿記
- 第4位 秘書検定
- 第5位 ビジネス実務法務検定
- 第6位 FP(ファイナンシャルプランニング)技能検定
その他、株式会社電通総研の調査では、高校生が「不安に思うこと」のトップは、「将来の就職」(80%)で、「大学受験」(69%)、「将来のお金」(65%)を大きく上回りました。
また、長引く不況の中、「就職に有利」「就職への近道」という理由から、専門学校への入学者が6年ぶりに増加したそうです。
日本経団連が大学生の新卒採用活動を、毎年12月以降に解禁すると発表しました。しかし、今までより2カ月遅らせても、大学生にとって効果はあまりないという意見もあります。また、大学も、社会ニーズに合う教育プログラムの変更を検討すべき時にきているのかもしれません。
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