共同センターロゴ小今月の話題(2011年1月)

「賃金不払残業」「長時間労働」の実態

2011.1.2

 企業の業績が十分な回復傾向にない中、「長時間労働」「賃金不払い残業」の問題がなかなか解消されません。仕事量が多かったり、納期にゆとりがなかったり、突発的な仕事だったり、勤務時間外でないとできない仕事だったりと、長時間労働の理由は様々です。そして、残業代の未払いについての労働者からの相談が日々増加しています。

 長時間労働や賃金不払い残業は、労働者の睡眠や休養、家庭生活や余暇の時間の不足と、労働者の心身の疲労回復を阻害します。有給休暇の取得率も低迷が続き、残業や休日出勤の結果、うつ状態になったり、体調を崩し、ストレスを感じている人も増え、その結果、仕事に対するモチベーションも下がります。それは引いては周囲の人たちや会社組織にも影響を与えるものです。

 厚生労働省は、昨年11月6日に各都道府県労働局で一斉に「労働時間相談ダイヤル」の相談を行い、その結果を発表しました。毎年11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施し、長時間労働やサービス残業の解消を促す取組みです。

 相談件数は787件(昨年度比114件減少)で、労働者本人からの相談が495件(62.9%)、労働者の家族からの相談が235件(29.9%)で、相談内容は、「賃金不払残業」に関するものが438件(55.7%)、「長時間労働」に関するものが247件(31.4%)を占めています。

 以下に、この「労働時間相談ダイヤル」における相談内容の事例を紹介します。

「長時間労働」に関して

  1. 卸・小売業で働いている労働者からの相談
  2. 清涼飲料水の自動販売機への商品の補充作業をしています。ほとんど毎日のように1日13時間に及ぶ勤務ですので、1カ月にすると120時間以上の残業をしており、家族団らんの時間が作れません。

  3. 警備業で働いている労働者の家族からの相談
  4. 夫がシステム関連の仕事をしています。残業や休日労働が多く、長い月で1カ月150時間を超える残業や休日労働をしています。労働時間を自己申告していますが、実際の時間を申告するのは困難なため、会社は労働者の労働時間について適正に把握していません。夫の健康状態が心配です。

「賃金不払い残業」に関して

  1. 卸・小売業で働いている労働者からの相談
  2. スーパーで勤務しています。労働時間は自己申告で管理しており、1カ月100時間を超える残業をしていますが、正しく申告できない状況にあるため、残業手当が一部しか支払われていません。

  3. 製造業で働いている労働者からの相談
  4. 工場で働いています。交替制勤務ですが、1日4〜5時間の残業が慢性化しています。タイムカードは終業時間で打刻させられるので、その分の残業手当が全然支払われません。

 近年、労働時間や割増賃金に関する労使トラブルは増加傾向にあります。法律を遵守するのはもちろんのことですが、トラブルを発生させないよう、日頃から労使間で十分なコミュニケーションを図りつつ、社員の「ワーク・ライフ・バランス」にも配慮する取組みが、早急に必要です。

(この項終わり)