共同センターロゴ小今月の話題(2010年11月)

新しい高齢者医療制度の行方

2010.11.1

 何かと話題となった「後期高齢者医療制度」(長寿医療制度)ですが、民主党による新政権発足後、見直しの論議が活発化しています。厚生労働省は2013年度の同制度廃止と新制度導入を目指しているものの先行きは不透明で、今後の高齢者医療に大きな影響を与える制度改革の動向に注目が集まっています。

 後期高齢者医療制度は、2008年4月に導入されました。都道府県単位で保険料が決定される仕組みで、75歳以上の人(約1,400万人)が対象となっています。 保険料の徴収は市町村が行い、医療給付などは「後期高齢者医療広域連合」(都道府県ごとに全市町村が参加、設立)が運営を行っています。

 厚生労働省は、この後期高齢者医療制度を廃止して2013年度から新しい高齢者医療制度を導入するとしています。新制度では、75歳以上の高齢者のうち、現役サラリーマンと扶養家族(約200万人)は「健康保険組合」や「協会けんぽ」などの被用者保険に加入し、その他の人(約1,200万人)は国民健康保険に移ることとなります。

 国民健康保険については、運営主体を「市町村」単位から「都道府県」単位に広域化する方針が厚生労働省から示されています。 新しい高齢者医療制度のポイントは、次の通りとなっています。今後の動きに注目しておきましょう。

  1. 年齢によって保険証を変える必要がない
  2. 世帯主以外は保険料の負担がない
  3. 医療費が高額になっても世帯合算で負担減となる可能性がある

 医療費の増大にしたがって、負担の見直しはやむを得ないことです。しかし、「現役世代の保険料収入に過度に依存すると働く意欲に影響する」と高齢者医療制度改革会議でも懸念されています。負担増を迫られる人々の納得を得られるように、財源論と合わせて年金や介護などの施策全体で抜本改革が求められます。

(この項終わり)