共同センターロゴ小今月の話題(2009年11月)

利用しにくい介護職員処遇改善交付金

2009.11.21

 平成21年10月から平成23年度末まで、介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対して、「介護職員処遇改善交付金」が交付されることをご存知でしょうか。総額で約4000億円の交付が計画されていますが、現在のところ、7割ほどしか活用されていないようです。100万人の介護従事者がいるとしたら、30万人はいまだ賃金の改善がなされていないことになります。厚生労働省は介護職員の処遇改善月額4万円増を目指し、平成24年度以降も引き続き取り組んでいくことを明言。交付金の積極的な活用を推進したい考えです。

 今回の交付金は、介護職員の賃金を月額1万5000円上げるために交付されます。対象となる職種は、原則として指定基準上の介護職員、介護従事者、訪問介護員等として勤務している職員です。他の職務に従事していても、介護職員として勤務していれば対象者に含まれます。しかし、訪問看護など、人員配置基準上介護職員のいないサービスは対象外となります。

 交付見込み額を上回る賃金改善計画を策定し、職員に対して周知を行った上で都道府県に申請を行い、承認が得られれば、介護職員の賃金改善に充当する資金が介護報酬とは別に毎月自動的に交付されます。

 職員への周知は、事業主が策定した介護職員処遇改善計画書の掲示や、従業員全員に通知するなどして行います。計画書には、交付見込み額と賃金改善見込み額、賃金改善の方法等について示し、できるだけ介護職員1人当たりの賃金改善見込み額を盛り込むことが定められています。

 交付金は、原則として申請があった月のサービス提供分から対象になりますが、平成21年12月中に申請した事業者に限り、10月サービス提供分にさかのぼって交付を受けられます。厚生労働省は、平成22年以降の交付について、キャリア・パス(昇進プラン、キャリアアッププラン)に関する要件等を加えることを予定しているそうです。

 申請手続きについては、都道府県の介護保険担当課まで問い合わせてください。

 経済危機対策としての交付金制度ですが、介護事業経営の現状は大変厳しいといわれています。交付金を上回る見込み額の計画を立てることの困難さや、同じ職場にいながら、交付金の対象になる人とならない人が出る場合、その不公平感も問題となるでしょう。経済を立て直す支援策になる、活用しやすい制度を望みます。

(この項終わり)