共同センターロゴ小今月の話題(2009年6月)

年金に関する2つの新法

2009.6.1

 年金に関して、2つの新しい法律が成立しました。社会保険庁の記録漏れで年金が未払いになっていた場合に、物価上昇分を上乗せして支給する「年金遅延加算法」と、現在の大変厳しい経済情勢で、資金繰りに苦しむ事業主の負担軽減を重視した「延滞金軽減法」です。いずれも議員立法によるものです。この2つの法律について、その概要を簡単にご紹介します。

「年金遅延加算法」の概要

 年金遅延加算法(正確には「厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律」)は、公的年金制度に対する国民の信頼を回復することを目的として、記録漏れが見つかったことにより年金が増額する人に対し、支給が遅れていた期間の物価上昇率分を上乗せするものです。

 初年度においては最大約700億円が見込まれており、法律の施行は来春の予定です。

 なお、2009年2月の時点で、5年を超す支給の遅れが見つかっているのは約7万3,000件、総額425億円です。

「延滞金軽減法」の概要

 延滞金軽減法(正確には「社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」)は、社会保険料等の納付が困難な事業主の経済的負担を軽減することを目的として、保険料を滞納した事業主が支払う延滞金の金利(年14.6%)を、3カ月以内の遅れであれば「年7.3%」に引き下げるものです。

 ただし、当面は日本銀行が定めている基準割引率に4%をプラスした利息が適用されるため、「年4.5%」となります。

 全体で約40億円の負担軽減になるものと見込まれており、法律の施行は2010年1月の予定です。

 これらの法律は一見、年金制度をサポートし、国民に安心感を与えるようにみえます。しかし、「年金遅延加算法」も「延滞金軽減法」も、根拠となる財源が確保されているわけではありません。赤字国債で賄われることになると見られますが、国債の乱発は健全な国家財政の運営とは言えません。結局、政府の莫大な借金の支払いを行うのは私たち国民ということになります。年金制度は抜本的な見直しが急務となっています。

(この項終わり)