「ねんきん定期便」 の送付始まる(年金問題を考える その7)
2009.4.2
- その1<第49回(2007.7.2)>
- その2<第53回(2007.11.1)>
- その3<第57回(2008.3.5)>
- その4<第61回(2008.7.1)>
- その5<第65回(2008.12.3)>
- その6<第68回(2009.3.5)>
社会保険庁はこの4月から、全国に約7000万人いる年金加入者(国民年金・厚生年金の被保険者)に対し、「ねんきん定期便」の送付を始めます。これにより年金記録の定期的な「再点検」を求めるとしています。
「ねんきん定期便」は2種類あります。「年金記録に漏れ」や「誤り」のある可能性の高い方にはオレンジ色の封筒で、それ以外の方は水色の封筒で、それぞれ毎年の誕生月に送付されることになっています。
この「定期便」は、「特別便」とは異なり、記録の改ざんなども見つけやすくする工夫がなされるようです。自分の年金加入記録(履歴)に加え、標準報酬月額、将来の年金見込額、保険料の納付実績も記載されることとなっています。
「ねんきん定期便」には、基本的には以下のものが封入されることになっています。
- 定期便の本体
- 説明書(冊子)
- 回答票
- 返信用封筒
自分の年金記録漏れに気付いていない加入者については、確認のためのヒントとして、記録が漏れている期間を示す書類(「あなた様の年金加入記録に結び付く可能性のある記録のお知らせ」)が同封されることになっています。
社会保険庁では、2007年の年末から2008年の秋にかけて、すべての年金受給者と加入者(約1億900万人)に対して、「ねんきん特別便」の発送を行いました。しかし、思ったほどの効果は上がっていません。
「特別便」への回答率は、昨年12月末時点で63%にとどまっており、当初の予想よりもだいぶ低い結果でした。そのうち約14%に当たる991万人が自分の記録に「漏れ」や「間違い」があると回答しています。
年金記録の確認と訂正は今も進められており、訂正分の年金支払いまでの期間が短縮され、記録の照会がインターネットでもおこなえるようになりました。
「ねんきん定期便」の詳細やひな形等の情報は、社会保険庁のホームページ(http://www.sia.go.jp/topics/2006/n1124.html)で公開されています。
(この項終わり)