共同センターロゴ小今月の話題(2008年5月)

健康保険制度がいろいろ変わりました

2008.5.7

 国民に十分な説明もないまま、これまでの老人保健制度に代わる75歳以上の人を対象にした「後期高齢者医療制度」ができました。今までの老人保健制度では、国保や健保(社保)などの医療保険に加入しながら老人保健制度の対象となっていましたが、この4月から75歳以上の人は、後期高齢者医療制度に加入することになりました。

 70歳以上75歳未満(現役並み所得者以外)の自己負担割合は、1割が原則として2割になりました。ただし、経過措置で平成21年3月までは1割の自己負担で医療を受けられます。現役並み所得者は3割で変わりません。

 会社などを退職して国保に加入し、厚生年金を受給されている75歳未満の方とその被扶養者は退職者医療制度で医療を受けていましたが、4月から対象年齢が65歳未満に変わりました。65歳以上の方は、一般の国保加入となりその保険証で医療を受けることになります。

 40歳から74歳の国民健康保険加入者を対象に、糖尿病などの生活習慣病の予防を図るため、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健康診査が実施されます。特定健康診査の結果から生活習慣改善の必要度に応じて保健指導がなされます。

 乳幼児の医療費を2割負担にする対象年齢が、3歳未満から義務教育就学(小学校入学)前までに拡大されました。

 今回の改正では、医療費の増大と採算の急速な悪化で国民の保健費負担がおおきくなったことは確実です。国税より社会保険負担のほうが国の収入としては大きくなっている政府の財布、その中で社会保障制度を通して給付されている支出割合は英米仏独に比べて決して大きくないといわれています。「病院に行かれない」という人、「病院に行くなというのか」という人、保険負担額を重く感じている人の声が聞こえてきます。財政の見直しと社会保障負担の抜本的な見直しがどうしても必要なのではないでしょうか。

(参考)

全国保険医団体連合会のウェブサイトに、東京大学名誉教授の宇沢弘文氏が後期高齢者医療制度の問題点について寄稿しています。

【日本の医療崩壊・宇沢名誉教授】

(この項終わり)