共同センターロゴ小今月の話題(2007年1月)

営業社員の「息抜き」は懲戒処分の対象になるか

2007.1.8

 外回りで営業しているはずの時間に、喫茶店で休憩しているところを上司に見つかりました。上司に「業績拡大に社員全員で取り組んでいる時にどういうことだ!懲戒処分を覚悟しろ!」と言われましたが、本当に懲戒処分に該当する行為なのでしょうか。

 就業時間のほとんどをオフィスの外で働く営業社員の場合、自分の裁量で休憩時間をとる人は少なくありません。しかし、一定の営業成績を上げる見込みが立つとリフレッシュするための休憩時間も長時間になりがちで、中にはパチンコや映画に興じる人もいるようです。

 労働基準法には

「労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定しがたい時は、所定労働時間労働したものとみなす。」(38条2前段)

という規定があります。この条文の趣旨は、労働時間を把握できない事業所外で働く社員にも所定労働時間分の給与を支払うというものです。会社が「きちんと働いているかどうかわからない」などとして、社員の給与を一部カットすることや、不払いにすることは法律上認められていないわけです。

 社員が「裁量労働制」の対象なら、自ら労働時間を配分でき、通常の就業時間に働かずに他の時間働いても問題はありません。ただし、「裁量労働制」を適用できるのは技術開発やデザインの考案など、労働基準法の施行規則に列挙された一部の職種にかぎられます。営業職は適用外であり、就業時間にさぼっていれば職務専念義務違反で懲戒処分の対象となる可能性はあります。

 労働基準法は、労働時間が6時間を超えると45分以上、8時間を超えると1時間以上の休憩を与えるよう規定しており、会社はオフィスの外で働く社員にも休憩を与えなければなりません。営業活動の合間に喫茶店に寄るのも、短時間であれば社内でお茶を飲むのと同じで、通常は許容される気分転換の範囲内とされています。

営業社員の息抜きのポイントは

  1. 短時間の休憩は通常、許容される気分転換の範囲以内
  2. 長時間の休憩は職務専念義務違反の可能性あり

ということになりそうです。

(この項終わり)