公益通報者保護法が施行されました
2006.04.01
4月1日から、公益通報者保護法が施行されます。
「公益通報」とは、国民生活の安心や安全を損なうような事業者の法令違反行為を事業者内の労働者が通報することです。
この法律では、公益通報を行ったことを理由に労働者が解雇等の不利益を受けないよう保護することを目的としています。労働者の公益通報に対し事業者および行政機関がとるべき措置を定めることにより、労働者の保護と同時に事業者の法令順守(コンプライアンス)経営を強化することが期待されています。
なお、この法律では、本法の施行後になされた公益通報について適用されます。
公益通報者の保護
- 解雇の無効
- 解雇以外の不利益取扱いの禁止
- 「その他の不利益取扱い」の例
- 労働者派遣契約の解除の無効等
公益通報したことを理由に事業者が行った解雇は無効となります。
解雇以外にも、公益通報したことを理由に事業者がその他の不利益な取扱いをすることも禁止されています。
降格、減給、訓告、自宅待機命令、給与上の差別、退職の強要、専ら雑務に従事させること、退職金の減額・没収(退職者の場合)
派遣労働者が派遣先で生じている法令違反行為を通報しても、それを理由とする労働者派遣契約の解除は無効であり、事業者が派遣労働者の交替を求めること等も禁止されます。
通報は実名で
本法は、実名での通報を前提に通報者が不利益な取扱いを受けないよう規定しています。匿名での通報は、通報者に連絡がつかないために十分な調査ができず、通報者へのフィードバックも困難であることから、実名の通報と同様の処理は行えなくなるからです。
事業者に求められる対応
事業者は、労働者からの通報を受け付ける窓口を設置するなど、通報処理の仕組みを整備することが必要です。共同センターでは、こうした社内体制の整備のお手伝いをさせていただく準備を整えています。
(この項終わり)