共同センターロゴ小今月の話題(2005年8月)

整理解雇

2005.08.03

 使用者(事業主)側の都合で、従業員を解雇することを「整理解雇」といいます。おもに、人件費を圧縮し、事業の経営悪化を改善する目的で行われます。
 「整理解雇」のような使用者による一方的な解雇の取り扱いは慎重でなければならず、法律でも大きく制限を受けています。

民法での取り扱い

 第1条で信義則や権利濫用の視点から解雇の制限をしています。また、無謀な解雇は、同90条の公序良俗違反として制限しています。

労働基準法での取り扱い

 労働基準法は労働者に対して労働条件が不利益になるような取り扱いを禁止しています。解雇についても、下記のような規定があります。

「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」(第18条の2)

 しかし、この規定はすべての整理解雇を禁止するものではありません。以下の条件に照らし、正当性が認められれば、整理解雇が許されることもあります。

整理解雇の4条件

人員整理の必要性
  • 現在または近い将来、会社の維持存続が不可能になる可能性が高い。
  • すでに会社倒産に近い経営状態である。
  • 独立した事業部門について、維持存続が危うい状態である。
整理解雇の回避努力義務の履行
  • 残業カット、配置転換、出向、一時帰休等の方策を実施している。
  • 社員の新規採用、パート、アルバイト等の雇用を中止している。
  • 割増退職金の支払い等の制度を設け、早期退職者を募集している。
  • 役員報酬、労働者の賃金、賞与等を減じている。
  • 解雇した社員に対し、会社から再就職支援等の努力がある。
被解雇者選定の合理性
  • 解雇される人物(被解雇者)の業務成績、勤務成績、年齢、家族構成などが総合的に判断されており、解雇基準が合理的かつ公平である。
労働者の(代表)、労働組合との協議
  • 整理解雇が実施されるまでの手続きに妥当性がある。
  • 整理解雇の時期、規模、方法について労使双方で協議し、合意している。

 上に挙げた4つの要件は、使用者(経営者)の権利の濫用を防ぐためのものです。しかし、これらの要件をすべて満たせばあらゆる整理解雇が認められるものではありません。個別に、具体的に判断されることが求められます。

 たとえば、特定の人物を辞めさせるため、女性だから、給与が高いからなどといった、目的自身が不法である整理解雇は許されません。整理解雇をする一方で、若年の新社員、パート、アルバイト、派遣社員などを採用することも解雇の濫用と判断されます。これらを目的とする「整理解雇」は無効となります。

(この項終わり)