労働者派遣事業の許可・届出で新たな事業展開を
2種類の労働者派遣事業
労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことをいいます。
労働者派遣事業の種類は、次の2種類があります。
- 一般労働者派遣事業
- 特定労働者派遣事業
登録型、臨時/日雇型の労働者派遣事業です。
厚生労働大臣の許可を受けることが必要です。
常用雇用労働者だけを労働者派遣の対象として行う労働者派遣事業です。
厚生労働大臣に届出をし、これが受理されることが必要です。
派遣が禁止されている業務
労働者派遣事業者が労働者を派遣できる業種は原則的に自由、全ての事業です。しかし、以下の業務に関しては適用除外(派遣が禁止)されています。
- 港湾運送業務
- 建設業務
- 警備業務(ガードマン等)
- その他政令で定める業務(医療関係業務)
- 医師、歯科医師、薬剤師(病院または診療所における)
- 保健婦/士、助産婦、看護婦/士および准看護婦/士の業務である保健指導、助産、療
養上の世話及び診療の補助
(臨床検査技師、理学療養士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、言語聴覚士) - 管理栄養士
(傷病者のための必要な栄養の指導業務に限る) - 歯科衛生士、診療放射線技師、歯科技工士
(院内での業務に限る
当面の間、禁止されている業務
- 物の製造の業務。
(物の溶解、鋳造、加工、組み立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に係る業務)。
労働者が休業する場合の例外があります。
その他の禁止業務
- 人事労務関係のうち、派遣先において労働組合との団体交渉や従業員との労使協議の際に、使用者側の直接の当事者として交渉を行う業務
- その資格の法律で禁止されている以下の業務
弁護士、公認会計士、弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士、行政書士
派遣期間
労働者を派遣できる期間は原則的に1年間ですが、旧法で指定されている、専門的、技術的な業務26業種のみ、3年間となります。
また、
- 育児介護休業、産前産後休業する労働者の業務のための派遣は、最長2年間
- 事業の開始、転換、拡大縮小、廃止のための業務で、一定の期間内に終了が予定されているものは、その期間内で最長3年間
という例外もあります。
派遣期間のクーリング期間
上の派遣期間の制限からも分かるとおり、派遣先は、1年間を超えて派遣労働者を受け入れることができません。また、派遣先が同じ派遣労働者を1年間受け入れていた後、引き続き同じ業務を行わせるために労働者を雇い入れる場合は、本人が希望するならその派遣労働者を雇用するよう努力する義務が課せられています。
ただし、例外規定として、1年間派遣を受け入れた後、次の雇用までに、3ヶ月間の空白期間を設ければ、同一の業務でも新たに派遣を受け入れることができます。この3ヶ月間が「クーリング期間」です。
旧法の専門的、技術的な業務26業種については、3年経過後に、3ヶ月間のクーリング期間を設ければ、さらに3年の派遣を受け入れることができます。
なお、「労働者派遣事業」と「請負」は異なります。相違については、今月の「コックピット発ミニ・ミニ情報」をご覧ください。
共同センターでは、労働者派遣法による申請手続きを代行します。この法律についての説明会や研修会を行い雇用の促進、労働力の有効利用を図るとともに、個人情報の適正管理、社会保険や労働保険の適用、派遣契約書の作成等についてもお手伝いいたします。
(この項終わり)