共同センターロゴ小今月の話題(2000年7月)

企画業務型裁量労働制(新しい裁量労働制が施行:その4)

(先月からの続きです。先月分はココから表示できます。)

 新しい裁量労働制が平成12年4月1日より施行されています。

 この企画業務型裁量労働制を導入するためには、必ず、まず始めに対象事業所に「労使委員会」を設置し、所轄の労働基準監督署へ「労使委員会設置届」(様式第13号の3)を届け出る必要があります。

 次いで、「労使委員会」の委員全員の合意で、次の必要的決議事項8項目とその他決議した事項を、所轄の労働基準監督署へ「企画業務型裁量労働に関する決議届」(様式第13号の2)により届け出る必要があります。

 使用者がこの決議した内容を所轄の労働基準監督署へ「企画業務型裁量労働制に関する決議届」により届出なければ、本制度「企画業務型裁量労働制」の効力は生じません。

 さらに裁量労働をさせる労働者の個別的な同意(就業規則による包括的な同意は「個別の同意」に該当しません)を得る必要があります。

 その後、対象労働者を対象業務に就かせた場合には、対象労働者がみなし労働時間(労使委員会で決議した「みなし労働時間」)を労働したものとみなします。

労使委員会で決議する法第38条の4第1項の必要的決議事項

決議の様式は書面、様式は自由ですが、届出書は所定の法令様式によります。

  1. 対象業務の具体的な範囲
  2.  事業運営の企画・立案・調査・分析の業務であり、使用者が仕事の進め方や時間配分を具体的に指示しないものです。 したがって、ホワイトカラ−の業務の全てが該当するものではありません。

  3. 対象労働者の具体的な範囲
  4.  対象業務を適切にこなせる知識、経験等を有する者とします。 例えば、「大学の学部を卒業して4年以上の職務経験者または主任以上の社員」等です。

  5. 労働したものとみなす労働時間
  6.  1日あたりの労働時間数(適切な水準の労働時間数)で月単位で定めることは出来ません。みなし労働時間が法定労働時間を超える場合には、時間外労働に関する協定書「36協定」(様式第9号)を届け出る必要があります。

  7. 使用者が対象労働者の健康・福祉確保をするための措置の具体的な内容
  8.  対象労働者の勤務の状況に応じて実施します。 例えば、

    • 6ヶ月毎に健康診断を実施する
    • 社内に専門医による心の相談室を常設する
    • 代償休日または特別な休暇を付与する

    等です。

  9. 使用者が対象労働者からの苦情処理のための措置
  10.  実施する具体的な内容を決議します。例えば、

    • 対象労働者からの苦情処理の窓口を労務課労務係内に設置する
    • 担当者は専任の係長待遇者
    • 取り扱う苦情の範囲は企画業務型裁量労働制の実施に関する苦情のみに限定せず、対象労働者に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度等、この制度に付随する事項を含む
    • その苦情処理の手順、方法等を具体的にオ−プンにする

    等です。

  11. 対象労働者本人の同意を得なければならないこと及び不同意の労働者に対して不利益な取り扱いをしてはならないこと
  12.  これは次の点に留意します。

    • 企画業務型裁量労働制の制度の概要、企画業務型裁量労働制の適用を受けることに同意した場合に適用される評価制度及びこれに対応する賃金制度の内容並びに同意しなかった場合の配置及び処遇について、使用者が労働者に対して明示して当該労働者の同意を得ることとすること
    • 企画業務型裁量労働制の適用を受けることについての労働者の手続(書面によることなど)
    • 対象となる労働者から同意を撤回することを認めることとする場合には、その要件及び手続

  13. 決議の有効期間
  14.  これは、当分の間1年以内とします。ただし、以下のような注記も必要と思われます。

    決議の期間途中であっても、委員の過半数から決議の変更等のための労使委員会の開催の申し出があった場合は、決議の有効期間の途中であっても決議の変更等のための調査審議を行なうものとすること。

  15. 対象労働者の勤務状況等の記録を保存すること
  16.  決議の有効期間中及び有効期間満了後3年間以上とします。

労使委員会で決議する法第38条の4第1項のその他の決議事項「参考」

 労使委員会で決議することが適当であることに委員は留意することが必要であるとされている事項等を以下に挙げます。

  1. 使用者が対象労働者の健康状態を把握すること
  2. 使用者が対象労働者の能力開発を促進する措置を講ずること
  3. 使用者が対象労働者の同意を得るに当たって、必要な事項を明示すること
  4. 対象労働者に同意を得るときの手続:書面による等
  5. 対象労働者からの同意の撤回を認める場合の要件と手続
  6. 委員の半数以上からの申し出があった場合には、有効期間の途中であっても決議の変更のための調査審議を行なうこと
  7. 使用者が対象労働者に適用される評価制度、これに対応する賃金制度を変更しようとする場合、労使委員会に事前に変更内容を説明すること

以上です。

(以下、次回に続きます)